住宅を考えるにあたり、賃貸か持ち家かは永遠のテーマです。
筆者としては、人それぞれ事情が異なりますので賃貸がいいか持ち家がいいかは断言できるものではないという中立的なスタンスを取っております。
今回は、平均年収である筆者が持ち家における明らかなデメリットを挙げていきます。
多くのインフルエンサーや不動産業者等の方々がそれぞれの見解を述べられていますが、それらはお金持ちであったり専門家であるなどし、平均年収の一般人の感覚とは異なる可能性もあります。
この記事では、読者の方と最も近い立場である筆者が住宅購入について調べ上げたデメリットを展開していきます。
住宅は大変高額な買い物ですので、ぜひ本記事を最後までお読みいただき住宅購入のご参考にしてくださいましたら幸いです。
目次
1.35年ローンが高難度
まずは持ち家購入の費用の高さが挙げられます。
多くの方は3000万円以上の物件を35年のローンを組んで購入することになりますが、その35年という期間が明らかに長すぎるのです。
2021年現在から35年前までを振り返ってみるといろいろなことがありました。
バブルとバブル崩壊、大地震、リーマンショック、そしてコロナ禍と・・・大きな出来事だけでもこれだけあり、小さな変化を含めると無数に存在します。
これらの出来事により、リストラに遭ったり会社が倒産したりして職を失い、安定した給料を確保することができなくなった人もたくさんいるでしょう。
つまり、これから35年間毎月安定してローンを返済できるという確証なんて誰にもないということです。
ましてやボーナス月には多めに返済するというようなプランを組んでいると一挙に計画が崩れてしまいます。
どれだけ一生懸命仕事に取り組んでいても、自分だけの力ではどうすることもできない出来事に遭遇した場合、35年ローンというのは大変なリスクになってくるのです。
2.新築物件は高すぎる
住宅購入にあたり、新築か中古かの選択肢がありますが、多くの方は新築物件に魅力を感じていることでしょう。
ですが、新築物件はその販売価格に様々な費用が乗っかっているのです。
たとえば、物件の販売価格に売主や不動産業者の利益や広告費用、手数料やその他雑費などあらゆる費用が加算されており、それらを全て購入者が負担しなければなりません。
販売価格=その住宅の価値ではないということです。
新築物件は「鍵を刺した瞬間に価値が2~3割は低下する」と言われているのはこれらの上乗せされた費用のためです。
3500万円で販売されている物件なら、低く見積もっても2800万円程度の価値しかないということです。
住宅を資産として購入を考えている人はこの点にご注意ください。
買った瞬間に3500万円から2800万円になる株や金なんて誰も購入しませんよね。
もちろん中古物件にも広告費用や手数料が加算されていますが、新築物件と比較しても微々たるものなので、購入するなら価格が下がりきった中古物件がおすすめです。
3.家賃と同じではない
不動産業者の売り文句として「今までの家賃と同じ金額でローン返済をすることができます」
という言葉がありますが、これは正しいとは言えません。
月々のローンの支払いと家賃は決して同じではないのです。
持ち家ならば固定資産税がかかってきますし、設備が故障した際の修理費も自分で工面しなけらばならないため、それらを月割りして貯めておく必要があります。
また購入した住居が戸建てではなくマンションならば、管理費と修繕積立費が月々の支払いに加算されます。
管理費と修繕積立費はマンションの規模にもよるため、一概にどれくらいかとは言えませんが、二つを合わせて最低でも30,000円はみておいた方がいいでしょう。
その30,000円はローン返済とは無関係のお金であり、そこに住む限り払い続ける必要があるものです。
物件の広告チラシなど、親切に月額いくらの返済になるかを明記してくれているものもありますが、それらの広告には固定資産税のことや管理費・修繕積立費の分は除外されているケースがほとんどです。
3-1.住宅手当もなくなる
また、賃貸では会社から「住宅手当」が支給されますが、持ち家では住宅手当は支給されません。
筆者の場合、住宅手当28,000円をもらっていますが、それを抜きにして家賃と同額のローン返済をするなどとても困難です。
ましてやそこから更に固定資産税・管理費・修繕積立費を賄うとなると、もはやパンの耳で生活せざるを得ません(笑)。
4.引っ越しができない
気軽に引っ越しができないという点もデメリットが大きいです。
- 近隣住民にへんな人がいたら
- ママ友のボスにいじめられたら
- 近くに変な建物が建ってしまったら
- 都市開発で悩まされる結果になったら
などなど・・・
自分の力ではなんともならず逃げたくなる場面に遭遇した場合も、持ち家であれば引っ越すことができません。
近隣住民との人間関係の問題が生じたり、新しく引っ越してきた人が変人だったりと、他人に脅かされるケースもあります。
また近くにパチンコやラブホテルなど好ましくない店舗、さらには怪しい宗教団体の建物ができることもあるでしょう。
都市開発などでは、立ち退き料をもらって立ち退くくらいならまだいいのですが、静かだった家の近くに線路が走ったりバイパスができたりして騒音被害に悩まされるケースがあります。
さらには人口が減少してくると、線路やバスが廃線になって不便になる可能性もあります。
購入当初は最高だと思っていた住環境でも、どんどんと住みにくくなっていった場合に身動きが取れないとなると、そこでストレスを抱えて死ぬまで過ごさなければならないのです。
4-1.緊急事態時の判断を迷わせる
2022年3月現在、ロシアとウクライナでは大変なことが起きています。
多くのウクライナ人が移動を余儀なくされる状態になっていますが、こんな時不動産は大変邪魔になります。
もちろんこの出来事は日本にとっても対岸の火事ではありません。
いつなんどき、自宅を放棄して逃げなければならない状況になるかわかりません。
果たして不動産は命より大切なものでしょうか。
5.転勤はすなわち単身赴任になる
家庭を持つ方が転勤を命じられた場合、持ち家では家族ごと引っ越すことができないため、必然として単身赴任になります。
筆者の友人で、今まで転勤が一切無かったにも関わらず、住宅を購入した途端に転勤を命じられたケースがあります。
これはまさに会社側の確信犯です。
「家を購入しローンを組んでいるのだからもう会社を辞めることはないだろう」
と上層部に判断され、遠くの県に転勤させられてしまったのです。
もちろん友人の能力を評価しての栄転ではあるのですが、それでも奥様と2人の小さな子どもを置いて単身赴任になることは大きなデメリットです。
これが賃貸ならば家族全員で引っ越せますし、賃貸ならそもそも転勤を命じられることもなかったのかもしれません。
大手に勤める方ほど、転勤がある職場ほど、持ち家を購入した際に転勤させられる可能性があることを覚えておいてください。
6.ネットなどで気軽に住所を登録できない
ホームページやアプリなど、多くのサービスに住所を登録するケースがあります。
多くのサービスは問題ないのでしょうが、やはり大切な個人情報である住所を入力することは少し躊躇するでしょう。
それによって利用できないホームページやアプリなどが出てくる可能性があります。
住所登録したとはいえ、そこから情報が漏洩してしまえば何かしらの不具合が生じることもあり得ます。
7.子どもには資産どころか重荷になることも
子どもに残せる資産として家を・・
という考えで家を購入した方もいらっしゃるでしょう。
ですが、そういうあなたは親御さんが住んでいる実家に住みたいと思いますか?
やっぱり綺麗な新築に住みたいと思う方が大半でしょう。
将来のあなたのお子さんも同様に考える方が自然です。
つまり、親世代が購入した古い物件など、子世代は住もうとは思わないのです。
ましてや売ってお金に替えようとしても、余程の好物件でもない限り簡単には売れませんし、売れても購入時とは比較にもならないほどの低額です。
売れなければ毎年固定資産税を負担しなければなりませんし、家屋の老朽化で近隣住民に迷惑をかけないようにする手間もかかります。
持ち家はそういった苦労を子たちに強いる可能性があるのです。
8.本記事のまとめ
- 新築物件には広告費等が加算されている
- 月々のローン額は家賃と同額とはいえない
- 引っ越しができない弊害がたくさん存在する
- 資産となる物件はわずかであり重荷にすらなる
9.おわりに
以上、平均所得でthe・一般人的な立場から筆者が持ち家のデメリットについてご説明してきました。
持ち家のデメリットばかり列挙してきましたが、もちろん持ち家にもたくさんのメリットがあることも理解しています。
本記事がそれぞれのライフスタイルや価値観に合わせて、納得のいく選択をしてもらう一助となりましたら幸いです。