専門学校の教員はブラックな労働環境なのか?

教員 専門学校

専門職として現場に身を置き、一定期間働いてくると「後輩の育成」に関心を持ち、

「もっとこの業界に優秀な人材を多く輩出していきたい!」

と考え、教員や講師として大学や専門学校などの教育機関への就職を考える人も一定数はいるでしょう。

先生」という職業は永遠の憧れでもありますよね。

では教育現場で働く教職員の環境は一体どのような状況になっているのでしょうか。

医療系国家試験を目指す専門学校教員として勤務していた私の経験からその実態をお話していきます。

まず結論から言うと

ただのブラック企業でした

本記事を読むことで、入学希望者がどこかの学校には必ず入学できるという現代の「全入時代」の中、過酷な労働を強いられた専門学校教員の実態が浮き彫りとなります。

専門学校教員への就職を考えている人や専門学校へ入学を考えている人もぜひ最後までお読みください。


こんにちは、ひとしです。

専門学校には、公務員や医療職を目指す学校から声優やアニメーション、トリマー、動物看護などありとあらゆる職種を目指せる学校があります。

それらの中でも、私は医療系の国家資格取得を目指す専門学校に入学し、資格試験に合格して病院に就職したのち、その母校である専門学校に教員として勤務しました。

多くの知識と技術を与えてくれた母校に恩返しがしたいと考え、学生指導に邁進していこうと専門学校に入職しましたが、ただのブラック企業だったなんて・・・

本記事では専門学校の教職員の置かれる状況を以下の項目ごとにお伝えしていきます。

1.業務内容

教員の業務内容は、

授業と学生指導

これに凝縮されるべきであると考えます。

学生が「目指す資格を取りたい」「理想の医療従事者になりたい」という思いを持って入学してきているのだから、教員はそれに最大限応える必要があります。

また、その職の先輩として、「この人のようになりたい」と思ってもらえるような背中を見せ続ける必要があります。

いい授業をするにはそれだけ授業準備に時間がかかりますし、教員自身が常に最新の医療現場の状況を把握し、知識をアップデートしていく必要があります。

しかし、この授業と学生指導の他に大切な業務として「広報活動」がありました。つまりは学生募集に関する業務です。

私の勤めていた専門学校ではほとんどの毎週土日祝にオープンキャンパスを行っていました。

オープンキャンパスでは、来校する入学希望者や見学者に対して学科や職種の魅力を伝え、職業体験などをさせ、しっかりと来校者の進路相談に乗り、なんとかして入学してもらおうとするのです。

有名な大学であれば、年に数回のオープンキャンパスで事足りますが、知名度の低い専門学校では毎週土日祝にオープンキャンパスを開催しなければならないほど、入学者数の確保が難しいのです。

 

2.業務量の多さ

教員の業務に「授業と学生指導」に加え、「広報活動」があるため、その業務量は尋常ではありません。

日々オープンキャンパスのためのパワーポイントの作成や高校生が喜ぶイベント内容の発案があり、オープンキャンパス当日はその業務のみに手を取られ、事務作業や授業準備などができません。

一応、広報課はありましたが、広報課の長が自分が楽をしたいがために校長を手玉にとり、トップダウンで負担を全て教員に押し付けて、のうのうとしていたのです。

また、土日祝に出勤するということは、その分平日は休まないといけないため、在校生である学生と接する大切な時間が削られます。

つまり、この専門学校では常に「入学希望者」にばかり目が向けられ、入学した在校生へのサービスはおざなりになっていました。

まさに釣った魚に餌をやらないスタイルです。

 

3.厳しいノルマ

上述の通り、入学者を集めることに全神経を注いでいるには「定員数」というノルマがあるからです。

学生が定員数より一人減るだけで、その年の収益が単純計算で1,000,000円減額になります。

学校という性質上、そのマイナスをその年に取り戻すことは不可能です。

例えば、

「今年は入学者数が少なかったため、入学してくれた人たちには悪いけど授業料を値上げします」

「卒業生に向けて現場で役立つ有益なセミナーを有料で開き、お金を集めよう」

といったことができず、純粋にその年の入学者からの授業料と在校生の授業料のみでその1年をやりくりする必要があります。

そのため、学生募集は最重要事項であり、厳しいノルマが課せられるのです。

他にもノルマは「就職率」や「検定試験合格率」などがあります。

ですが、入学者数のノルマが厳しいということは、たいていの入学希望者は入学せざるを得ず、結果としてどうしようもない学生の就職や試験合格の面倒を見る羽目になります。

高校まで勉強習慣のなかった学生が、専門学校に入ったからといって資格試験を突破できるでしょうか?

いえ、できるわけがありません。

ですので、学生指導にもすごく時間を要するのです。

このあたりはまた別の記事でお話していきます。

 

4.残業に対する考え

残業に関して、まず入職して最初に釘を刺されたのは、

  • 残業は10時間まで申請可能
  • 残業が多い職員は昇進に響く
  • 授業準備での残業は許可しない

以上の3つでした。

すなわち、残業申請はしないでね!

ということです。

小中学校、高校の先生もそうですが、教育業界では公立や私立を問わず残業を申請するという文化がほとんど根付いていなかったようです。

今でこそ、ブラック企業や働き方改革がメジャーになってきましたので、改善されつつありますが、私のいたこの専門学校では古い慣習がはびこってました。

上司や上層部の人間が過去にめちゃくちゃ働かされた歴史がありますので、それを美徳として

「教育界なのでサービス残業は当たり前」

という精神を暗に強制してくるのです。

そして上司が
「学生のためには自己犠牲が必要」

という、およそグーグル翻訳を通しても意味のわからない言葉を多用するのです。

もちろん、学生のためを思って業務を遂行することはとても大切ですが、それと自己犠牲でサービス残業をする ということの因果関係が私にはまったく理解ができません。

 

5.おわりに

今回は私の勤めていた専門学校のみの例ではありますが、決してその学校だけの話ではありません。

少子化が進み、大学や専門学校が一番のターゲットとする「18歳人口」が年々減少し続ける中で、大学や専門学校の新設・統廃合が目まぐるしく行われています。

入学希望者がどこかの学校には必ず入学できるという「全入時代」に突入している現代だからこそ、どの学校も必死になって学生募集に取り組んでいます。

学生募集に手間取るような大学や専門学校の教員が果たして満足に在校生の教育に時間を注げるのでしょうか。

ここまで読み進めて頂いた方には、入学すべき学校の輪郭が自ずと見えてきたと思います。

入学を決める前に、主体的に動き、たくさん情報収集して、あなたにあった素晴らしい学校に入学してください。

 

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