カワサキの250ccバイクである250TR。
生産終了したものの、大変人気のあるバイクで、中古相場も比較的高めに設定されています。
250TRのカスタム車両を入手したため、自分でできる範囲でDIYカスタムを行っている様子をご紹介していくシリーズ展開の今回は第23回目です。
前回の記事はこちらです。
今回はフェンダーを加工した件です。
1.フロントフェンダーカット
車両を真横から眺めた時、フロントフェンダーの前側が少し長いように感じました。
言われなければ誰も気づかないくらいの些細なことではありますが、そのバイクの持ち主からすれば大きな違和感です。
一度気になればやらずにはいられません。幸いフェンダーはアルミ製です。
スチールメッキやステンレスなら素人のDIYでは手が出ませんが、加工が容易なアルミなら可能です。
まずはマスキングテープで位置決めをします。
切り過ぎてしまっては後の祭りですので、この時点で切り出す長さを確実に測定し、位置決めをしておきます。
車両全体を遠目から見て、全体のバランスを考慮してください。
位置が決まれば思い切ってカットします。
手持ちの道具の中では手回しのドリルを用い、少しずつ穴を開けて、穴同士をペンチで切っていくことで少しずつ切断していく手法をとりました。
ディスクグラインダーをお持ちの方ならアルミなど一瞬でカットできますが、ドリルと持ち手があれば人力でもアルミの穴開けと切断は可能です。
2.フロントフェンダーアール整備
マスキングテープで綺麗なアールを表現してカットしたつもりでしたが、角度がついていました。
このように、角が立っています。
カットしていない後ろ側の末端を見ると、綺麗なアールが演出されていました。
マスキングテープの段階で気づけていればよかったのですが、まだまだ修行が足りないようです。
棒ヤスリでひたすら削り、アールを導き出します。
削り過ぎては元も子もありませんので、削っては確認し削っては確認しと、後ろ側の末端との同一性や左右のバランスを入念に見ながら少しずつ作業を進めていきました。
すると綺麗なアールを再現することができました。
3.リアフェンダーステーの移設
続いてリアフェンダーです。
この250TRはSR400のリアフェンダーを装着できるようにフレームにステーが溶接されています。
ですが250TR用のリアフェンダーの製品(ダブルエム)を見てみると、フェンダーを装着するための特殊なステーが付属していました。
画像の黒い物体がそのステーです。
購入時に完璧にカスタムされた250TRを少しでも純正に戻していくことが筆者のカスタム方針であるため、フレームに溶接されたステーを切除し、黒いステーを新設することとしました。
シートを外すと、黒いステーを取り付ける場所が確かに存在しています。
こちらに合うよう、2㎜厚のアルミ板を加工しステーを作り出しました。
ダブルエムに付属する黒いステーは恐らくスチールでできているだろうと考えますが、スチールより強度の弱いアルミであっても2mmの厚みがあれば大丈夫だろうと予想します。
ピッタリ装着することができました。
フェンダーも揺れることなくかっちりとマウントされています。
ステーの完成品だけを見れば、単なるアルミ板を曲げただけですが、採寸から切り出しまで結構な工程がかかっています。
4.完成
今回の作業はほとんど外見に影響しませんが、筆者の満足度は筆舌に尽くしがたいです。
要はそのバイクのオーナーが納得さえすればそれでいいのです。
今回のような作業はバイクショップに頼んでもやってくれるところは少なかったり、意図が伝わらなかったりと思ったようにいかないケースもあります。
痒い所に手を届かせるには自分の手が一番ですので、本記事を参考にぜひ挑戦してみてください。