2022年6月11日、待ちに待った『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』が公開されました。
筆者も幼少の頃からドラゴンボールが大好きで、前作『ブロリー』から新作映画の上映を心待ちにしていました。
この記事では、ドラゴンボールガチ勢である筆者が、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』を観た感想を忌憚なく語っていきます。
以下より物語の核心にせまるネタバレを大いに含みますので、まだご覧になってない方は今すぐブラウザを閉じてください。
目次
1.あらすじ
その昔、孫悟空にレッドリボン軍を壊滅されたレッド総帥の息子であるマゼンダが、ドクター・ゲロの孫であるドクター・ヘドを懐柔し、悪の組織カプセルコーポレーションを滅ぼすべく新たな人造人間を創造するのであった・・。
2.過去の映像
物語冒頭より、少年悟空がレッドリボン軍の基地を壊滅させる描写がありますが、もちろん新規作成された映像ですので、筋斗雲で基地内を駆け巡るCGの少年悟空がとてもかっこよく描かれていました。
その他にも、ドクター・ゲロや17号18号、サイボーグフリーザを切り刻む未来トランクス、天下一武道会でのピッコロの巨大化など、過去のシーンが完全新規カットで挿入されており、これだけでも昔からのファンが歓喜する展開となっていたのです。
3.ピッコロの進化
ピッコロは人造人間ガンマと一戦交えたことで、自分には敵わないことを悟り、デンデにある依頼をします。
「最長老様が悟飯やクリリンにやったように俺の潜在能力も引き出してくれ」と。
しかしデンデには年齢的にまだそれができないため、代わりに神龍の力をアップデートし、願いとして潜在能力を引き出してもらうことでパワーアップを果たしたピッコロ。
公開前情報としては、腕の線が消え肌の色が緑から黄色になっていましたが、実は更なる進化があったのです。
なんと色はオレンジ、そして筋肉隆々のゴリマッチョで、表情もより険しいものへと変貌を遂げたのです。
これをピッコロは「オレンジピッコロだ」と自称していました。
それまでてこずっていたガンマを一撃で仕留めるほど強力になり、その流れからもギャグのような要素すら感じましたが、正統なピッコロの進化として扱われるようです。
(ワンピースのギア4を見た時と似たような感情をいだきました。)
神龍の願いによるお手軽な進化であることや、冷静沈着な知恵者としてのピッコロが好きな方は少し苦手に感じるかもしれませんが、その後の展開を見ていくうちに自然と受け入れている自分がいました。
4.化け物のセル(マックス)
今回のラスボスは秘匿されていたことから、「既知のキャラでは?」と様々な予想が繰り広げられていました。
バイオブロリー、魔人ブウ、ラディッツ、そしてセルと。
筆者としては、レッドリボン軍が作るのですから当然セルだろうと考えていましたが、やはりラスボスはセルでした。
物語の前半部分からマゼンダは「セルの復活」を語っており、過去のセルをも超えた生命体「セルマックス」の完成をドクター・ヘドに促していました。
しかしその全貌が明らかになるとびっくり、外見はセルの第二形態ではあるものの巨大になっており、知性のかけらもない単なる化け物でした。
以前の完全体のような知的生命体ではなかったのです。
(ちょうど『ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』の「ヒルデガーン」に近い印象を受けました。)
これには賛否両論あるでしょうが、筆者はこれでいいと感じました。
もしセルが完全復活するのであれば、未来のセルでも過去のセルでも、ましてや新しく作られたセルでもない、「悟飯に倒されたセルそのものの個体」であってほしかったからです。(以下:Pセル)
ポッと出のセルに偉そうにされたところで「これじゃない感」は拭えなかったと思います。
あくまで今回の主役はピッコロと悟飯であり、そこに今後もレギュラーとなり得るようなPセルを持ってくるには2時間では足りないでしょう。
そのため、今回限りとして「セルマックス」という化け物をラスボスに持ってきたことは納得のいく展開でした。
完全新キャラのラスボスでは納得できないし、外見だけセルの知的生命体はうーんだし、かといってPセルでは尺が足りないと。
そうなると今回のセルマックスは見事にその大役を果たしたと思います。
第一形態でも完全体でもない、第二形態を元デザインにしたことも成功だと考えます。
またいつの日か、悟飯に消滅させられたPセルが何らかの理由で蘇り、復讐しにやってくる「逆襲のC」の公開を期待しておきます。
5.悟飯の超進化
今回の一番の見どころとしては、やはり悟飯の超進化が挙げられます。
作中、悟飯は超サイヤ人になり、その上の形態として黒髪の悟飯、俗にいう「アルティメット悟飯」が描かれていました。
アルティメットだけれども気のエフェクトもかっこよく追加されており、原作に忠実な設定かつ良い方向にアレンジが加えられ大変好感を持ちました。
そしてさらに!!悟飯はその形態をバーションアップさせたのです。
外見上はセルを倒した時の「超サイヤ人2」のような毛量になり、髪色は黒寄りのシルバーで悟空の「身勝手の極意」とは少し異なっていました。
悟飯のピークと言えば誰しもが「完全体のセルを倒した時の超サイヤ人2」と答えるでしょうが、まさにその時の強さと外見を青年悟飯に落とし込まれていました。
そう、誰しもが想像したであろう少年悟飯の魅力を青年悟飯で見事に再現してくれたのです。
圧倒的な強さと体格差を誇るセルマックスの一撃をものともせず受け止め、とどめの一撃を放つ悟飯は超絶かっこよかったです。
6.ファン垂涎
今回の作品の中ではファンのツッコミを入れさせないような細かいネタが随所に散りばめられていました。「こうしたらいいじゃん?」と思わせるような内容を始めから潰しておくことでファンのツッコミを封じ込ませ、終始ハラハラドキドキ感を持ちながら楽しめたのです。
6-1.仙豆と願いの制限
ドラゴンボール内では定番のチートである仙豆と神龍による願いですが、これを中盤には封じておきました。
仙豆は2つしかないこと、また神龍の願いはピッコロのパワーアップとその他で使い切ってしまったこと。
これらを出しておかないと、どれだけピンチに陥っても「仙豆取りに行けよ!」あるいは「ドラゴンボールで願いを叶えろよ」とツッコまずにはいられませんからね。
6-2.悟空やベジータ達の封じ込め
仙豆等と同様に、どれだけピンチになっても悟空やベジータを頼ればいいのでは?と考えてしまいがちですが、そこはビルス様の星にいて連絡が取れない状況を作り出すことで「今回は悟空たちは頼れない」と思い込ませたのです。
6-3.ピッコロの巨大化と腕の延伸
巨大なセルマックスに踏みつけられそうになったピッコロ、なんとか耐えているとクリリンが加勢に入り「昔みたいに巨大化しろよ」と。
そうです、ピッコロは巨大化できるのです。それを受け、とうの本人は「忘れてたぜ」とのこと。
そしてセルマックスと同じくらいまで巨大化し、肉弾戦を繰り広げますがピッコロ曰く、「見かけだけで大して変わっていない」とのこと。
また久しぶりに腕も伸ばし、セルマックスを拘束したことで悟飯がとどめを刺すことができました。
6-4.ちゃんと弱いクリリン
物語も終盤に差し掛かり、援軍としてブルマが悟天、トランクス、18号、そしてクリリンを連れてきましたが、この中ではクリリンは圧倒的に戦力外です。
ファンはその設定を覆してまで「まあまあ戦えるクリリン」を観たいわけではないのです。
クリリンはそんな自分の力を自覚しつつ、肝心なところで18号を守ったり得意の太陽拳を繰り出したりし、みんなの援護に回る姿勢はとても設定に忠実かつ、製作陣の原作へのリスペクトを感じられました。
6-5.とどめの一撃
セルマックス戦も終盤に差し掛かり、ピッコロは悟飯に「自分が抑え込んでおくから、目いっぱい気をためた一撃を放て。かめはめ波でもなんでもいい。」と言い、手を伸ばしてセルマックスをからめとります。
そして悟飯が放った一撃は「魔貫光殺砲」でした。
原作では悟飯は一度も魔貫光殺砲を使用していませんが、嬉しそうに話しかけるピッコロ。
「こっそり練習していました」と返す悟飯。
上出来だと褒めるピッコロ。
師匠の技を弟子がここぞという場面で使用し、勝利を得る。
もう最高のシーンです。
7.総括
以上、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の感想を述べてきました。
長年のファンも心から楽しめた作品で、鳥山先生や声優の皆さん、製作陣の方々には大変感謝いたします。
「こんな展開、あったらいいな」というファンが頭の中で描いていた妄想を公式がやってくださったような感じで、本当に素晴らしかったです。
もちろん賛否両論あるでしょうが、それは多くのファンがいる証拠です。
批判するにしても映画を観てないことには始まりませんので、ぜひとも映画館でご覧になってください。
これを機会にドラゴンボールという作品がまた一層の盛り上がりをみせ、アニメシリーズや次回作映画など展開していってくださることを切に願います。
そしてDB芸人の皆さんの今後ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。