SRの異音の原因を突き詰めるべく、前回はカムチェーンテンショナーを調整しました。
それだけでは何も変わりませんので、今回はバルブクリアランスの調整をしました。
いわゆるタペット調整です。筆者のSRのタペット調整は10年ほど前にショップでやってもらったきりでした。
事前に手順をしっかり調べ、いざ実践。
バルブクリアランスは圧縮上死点で調整するため、車両左側のジェネレータカバーを外して、クランクシャフトを反時計回りに回してTマークをクランクケースの出っ張りに合わせます。
ここのボルトだけ長いので、ご注意ください。
画像ではガスケットに隠れてわかりにくいですが、工具で指しているところのクランクケース側にでっぱりがあるため、そこにクランクシャフトのTマークを合わせるのです。
これでピストンが上死点に来、準備が整いました。
ここからがバルブクリアランス調整の本番です。
まずはアプローチしやすいマフラー側である排気側から行います。
排気側のクリアランスは0.12mm〜0.17mmですので、間をとって0.15mmのシックスネスゲージで調整します。
蛇足ですが、初めてシックスネスゲージを使った時、規定値と同じゲージが無くて驚きましたが、2枚を足し算すればいいのかと気づくまで時間がかかりました。
元の状態を測ってみると、結構狭まっていました。
12mmのレンチでボルトを緩めることで、中心のアジャスターボルトを動かすことができます。
0.15mmのシックスネスゲージを差し込んだまま、アジャスターボルトを締めていき、シックスネスゲージを挟みます。
それでシックスネスゲージを動かし
「羊羹を切る感覚」
に近づけることで適正のクリアランスになります。
まあ適正値は0.12〜0.17なので、真ん中の0.15で調整すれば厳密に羊羹を切る感覚でなくともその範囲に収まっています。
適正なクリアランスがでたら、アジャスターボルトを動かないように固定しながら外側のボルトを締めていき完了です。
ボルトを締めたあと、もう一度クリアランスを確認しておきましょう。
次は後ろ側である吸気側です。
こちらのクリアランスは0.07mm〜0.12mmが適正値ですのでご注意ください。
手順は排気側と全く同じなので割愛しますが、少しだけアプローチしにくいため排気側で慣れてから実施しましょう。
間をとって1.00mmのゲージで調整しました。
以上でバルブクリアランスの調整が完了しました。
エンジンをかけようとキックを蹴り下ろすと、一発で始動しました。
最近は複数回キックしないと掛からなかったのですが、クリアランスが狭まっていると始動性が良くないようです。
今回の調整で始動性が回復し、大変満足です。
しかし、カムチェーンテンショナーやバルブクリアランスの調整をするに至った異音は依然存在します。
果たして異音の正体は!?
※2020年10月24日の整備記録より転記および加筆修正。