ヤマハが誇る日本の名車「SR400」。
惜しまれながらも2021年に43年にも及ぶ歴史に幕を下ろしましたが、現在も多くのライダーから愛されている素晴らしいバイクです。
このシリーズでは、筆者の愛車である2001年式キャブレターモデル(通称:3型)のSR400を元に、メンテナンスの記録をお送りしていきます。
筆者は整備に関しては素人ですが、SRを購入して15年、愛情をたくさん注いできました。
そんなあふれ出すSR愛を以て、皆さんの車両のメンテナンスにも役立つような説明や画像の選択を心がけて参りますので、ぜひ最後までお付き合いください。
今回は初回にふさわしくオイル交換です。
1.オイル交換に必要なもの
まずはSRのオイル交換に必要なものをこちらに列挙しました。
肝心要のオイルですが、筆者は量が多くて安いカストロールを用いています。
1リットル2,000円以上するオイルも使用していたことがありますが、高くても交換頻度を下げることはできません。
安いオイルを管理された期間内に交換する方が良いと判断したためです。
SRは2リットルのオイルを要しますが、フィルター交換時は2.1リットル必要になるため、4リットルは絶妙にオイル交換2回分に届かないのです(苦笑)。
ですが4リットルあれば、万が一オイルが漏れるなどして少しだけ継ぎ足したい場合に便利ですし、次の交換時期までちゃんと缶のフタを閉めて保管していれば問題なく使用することができます。
こちらのオイルパンとオイルジョッキはこれでなくても構いませんが、100均のじょうごやボトル、タッパーなどの代替品ではいまいちテンションが上がりません。
バイクメンテナンス専用品が揃ってくると、嬉しくなってより一層意欲も湧いてきますので、少しずつ購入していくと良いでしょう。
こちらはフィルターです。オイル交換2回に1回のペースでフィルターも要交換ですので、同時に購入しておきましょう。
こちらはオイルを出す穴のボルト用ガスケットです。
ガスケットは締められることで変形して密着し気密性を高めますので、再利用はやめた方が無難です。
新しいものをその都度用意し、付け替えるようにしましょう。
最後に養生テープです。オイルが車体の奥底へ入って行かないようにするために必須なアイテムですが、ガムテープ等でも代替可能です。
以上が必要な道具のご紹介です。
2.ボルトを開けオイルを排出
オイル交換の最初の工程は、車両の中にあるオイルを排出することから始まります。
寒い時期ならばオイルの粘度が高く排出に時間がかかりますので、少しエンジンをかけた後にオイル交換をやると良いです。
ただし、オイルが熱くなるため火傷には十分ご注意ください。
2-1.車両前方の排出口
2つあるオイル排出口のうち、1つ目がエンジンガードの真上のこの場所です。
そのまましておくとオイルが出切る前にフレームを伝って車両内部に入り込んでしまいます。
そうならないようにボルトを開ける前に養生テープでガイドを作り、オイルが車両外に出るように誘導しましょう。
センタースダンドを立て、いよいよ12mmのレンチでボルトを開けますと、オイルが勢いよく飛び出します。
画像は勢いが弱まった段階ですが、ボルトを開けた直後は前輪にかかるくらいにオイルが出ますので、オイルパンをしっかりコントロールして確実に受け止めるようにしましょう。
勢いが弱まってくると養生テープが真価を発揮します。
養生テープの粘着力が弱まって落ちないよう管理しながら、確実にオイルを出し切ってください。
少しでも古いオイルを出して新しいオイル100%にすることがベターです。
2-2.車両下方の排出口
もう一つの排出口は車両下方のこちらです。
結構覗き込まないと見えにくい位置にあります。また、ボルトは真下ではなく真横に向いていますのでご注意ください。
真横を向いているとはいえ、先に前方からほとんどのオイルを出しているため、真横に噴き出すほどはありません。
17mmのレンチで外しましょう。
このように、オイルが真下に滴り落ちてきますので、オイルパンの配置をミスしないようにしましょう。
こちら側もオイルが完全に落ち切るまで、焦ることなくゆっくり待ちましょう。
もちろん、終わったあとはボルトを忘れず締めてくださいね。
オイルの処分が面倒ですが、オイルパンではなく廃油処理用パックで受け止めることでそのまま可燃ごみとして捨てることができるためおすすめです。
3.オイルフィルターの交換
次にオイルフィルター(以下:フィルター)を交換します。
フィルターはオイル交換2回につき1回の交換でOKです。
この位置にフィルターがあるため、カバーのボルト3本を5㎜のヘキサゴンレンチで外してフィルターを出します。
3本のボルトのうち、下の1本だけ形状が異なりますので、ご注意ください。
カバーを開けるとフィルターはペコッと簡単に外すことができます。
出っ張りがある方が奥側です。ここに限らず作業をする時は作業前の状態を撮影しておくことで、元の状態に戻すことが容易になります。
「あれ?どっちだったっけ?」と意外と忘れるものですので、うまくスマホカメラを活用してみてください。
Oリングの劣化具合を確認し、必要に応じて交換しましょう。
新しいフィルターを入れる前に古いオイルを拭き取りましょう。
前方・下方・そしてフィルター部と、全てにおいて少しでも古いオイルを除去することを心がけて徹底してください。
4.新しいオイルを充填
いよいよ新しいオイルを車両に入れていきます。
新品のオイルは黄金色に輝いていて美しいです。
前述しましたがSRでは通常2リットル、フィルター交換時2.1リットルのオイルが必要です。
今回はフィルターを交換したので、2.1リットルをオイルジョッキの目盛りを見ながらいれていきましょう。
SRはこの位置からオイルを入れます。
フレーム自体がオイルケースになっている車両は珍しいようです。
ちなみにこのオイルフィラーキャップは、必ずオイルを抜く前に開くかどうかを確認してください。
確認せず、オイルを抜いた後にいざキャップを開けようとしても固着して開かなかった場合、レッカーを頼むしかなくなります。
定期的にオイル量を確認するなどしていれば固着することもありませんので、普段からメンテナンスを意識しましょう。
あとは特筆すべきことはなく、こぼさないようにオイルを入れるだけです。
オイルフィラーキャップを指し、オイルが適量入っていることを確認してから締めて作業完了です。
5.おわりに
以上、SRのオイル交換をお届けしてきました。
オイル交換はメンテナンスの中でも比較的簡単な作業工程になっていますので、ご自身でチャレンジするにはうってつけです。
作業の様子を動画に収めてYoutubeにアップしていますので、文章や静止画で分かりにくい方は動画も併せてご覧ください。
感想やアドバイスなどをコメント欄にご記載いただけると嬉しいです。